記述式内観タイトル

NO.71〜80


 
NO.71

内観を受けるのは初めてですが、一言で表すならこの作業は私にとって「長年の謎を解くこと」でした。
 
私には、子どもの頃に母から言われたことで、とても悲しくショックかつ不快な思い出がありました。
 
ちょうど二年前、急な病気で手術をし、その後の長い入院期間中、かなりひまなので、いろいろと来し方など思い出しては日記に書き出して、今思えば「内観的」な作業をしていました。

そこで、母から言われたその言葉を何度も思い出すのです。
その言葉は思い出すたびに悲しく、不快なだけで、「何でそんなことを私に言ったのだろう?」という疑問で終わり、それ以上にはならずにいつも出口がないまま、怒りをため込んでいくだけでした。
 
しかし、母との関係がその言葉のせいで悪いというわけではなく、過保護なくらい大事に(?)育ててもらったと思っていたし、病気になったことで、母をはじめ家族のありがたさがよくわかったつもりでいました。
 
今回の内観に参加したところ、初日に、大げさでなく「目から鱗が落ち」ました。病気の原因がわかったと思いました。
 
母の言葉そのものよりも、その言葉に含まれる空気を私は受け入れることができなかったのです。

自分の意識のうえでは認めていなかったけれど、母に愛されていなかった。
幼い頃、そう感じていた自分を「発見」したのです。
 
そうすると全ての謎が解けました。
愛してほしかったとずっと思っていたのです。
 
「母なるもの」「母性」に対する反発。
恥ずかしながら子どもがきらいで、「母親になる」ことにわけもなく嫌悪感がありました。
 
小さい頃の強烈な思いを引きずって、とうとう臓器まで摘出してしまった・・・そういう自分が悲しくて泣いてしまいました。
 
不思議なことに、謎が解け、母との関係を「認識」した後は、すごくさわやかな気分になりました。
 
ただ、母への感謝の気持ちはなかなか素直に湧いてはこなかったです。
たぶん時間切れだったのでしょう。

二日目もゴミ出しに精を出し、さすがにゴミも少なくなり、それと共に疲れが出てうとうとしたりしているうちに終了となりました。
 
「ゴミの量」は人によって違うとのことですので、
今回はこれが私の到達したレベルだということでしょう。
 
近いうちに又、内観に参加させていただきたく思います。
残念ながら「ゴール」は完全には見えなかったですが、少なくともそばまでは行けたような気がします。
 
大変お世話になり、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。

 


NO.72

初めてであり、始まりでした。
内観に参加させていただいてのわたしの思いです。
母についてのゴミを出す事から始まりました。
 
わたしの母は 感情を 言葉に込めて 真正面からぶつけてくるタイプです。

そして 祖母をはじめ 母親の苦労を案じる親戚達は「お母ちゃんに 心配かけるんじゃないよ!。」と顔を見るたび言ってきます。

「わたしのせいで パパが死んだんじゃないのに・・・。」と思いながら わたしは 当たらず触らず 自分で作った「母に心配をかけない良い子」の 
 
きぐるみをかぶって 心だけは 勝手に作り上げた想像の世界で 一人遊びを繰り返すようになっていったような気がします。
 
母についてのゴミは 表面につもった埃のところは さっと 掃いただけで 出てきました。続いて 感謝の言葉が出てきましたが 心から湧き上がると言うようではなかった感じがありました。
 
先生の面接を受け「まだまだ 出るよ(ゴミの事です。)」と 言っていただいたように書き出しのお部屋に戻ってからの1~2時間は 言葉も 言葉のような繋がったものもかけず 
 
ただ ただ 紙に 鉛筆の線がぐるぐるに 絡まったものを 力任せに 感情のあふれるままに 押し付けている そのような感じでした。
 
ゴミを出し 感謝の言葉が出、また 次には もっと重たいゴミが待っていたようでした。
 
「たくさん 出たね。」と 先生は言ってくださいました。
表面のものが減った分 良く見えるようになっていくのでしょう。

残っている物も そのうちに きれいにする。と心に決めました。
大切に 歩を 進めさせていただきます。
心から感謝を申し上げます。

 


NO.73

私は今、中学2年生です。今回、内観に参加して本当に良かったと思いました。
 
初日、大嫌いな父の事をやって「本当に父に対して感謝の言葉なんか出てくるのだろうか」と不安でした。最初の一時間は、父の悪口だけしかでてきませんでした。
 
しかし、それから30分ぐらい書いていると不思議と感謝の言葉が出てきました。それからは、もう「ありがとう」の文字しか出てきませんでした。
 
そして、面接した時に、思いっきり涙が溢れてきました。その時私は、(父は、不安を抱えながらも私を一生懸命育ててくれていたんだ。

今迄父の大嫌いだった部分は、私に対する愛情だったのだな。なのに私は、誤解してその愛情を受け入れようとしていなかったんだ。

父は、あんなに一生懸命にやっていてくれたのに。何故自分は、受け入れてあげなかったのだろう。父にひどい事をしてしまっていたのだな。嗚呼、自分が情けない。)と言う思いに自然となりました。
 
面接が終わって、また「ありがとう」という感謝の言葉を紙に書いていると、突然こんな思いになりました。(今迄誤解していて父に感謝できなかった分、父の愛情を受け入れて感謝したい!)と。

それからは、父への思いをこめて「ありがとう」と書き続けました。
それから家に帰って、父を通して今迄気づかなかったいろいろな事に感謝する事ができたし、学校にいると以前はとても辛いと思っていたことが、今では何でもなくなりました。
 
今回、本当に内観に参加できて良かったです。
ありがとうございました。



NO.74

今回は、主人に対するゴミ出しをさせていただきました。
 
本当に心から実感するのは、先生のおっしゃる通り、内観所研で書き出した愚痴や不平不満、泣き言は、もどってこない、と言うことです。
心の底から感謝したい、ありがたいことです。

内観終了時に「まだ7割ぐらいだけど、時間があればもっと出るはず」と先生に言っていただきまして。
 
2回目は、「なんとしても光のところまで行こう」と、私なりに気合いを入れました。

先生に「それはまだあなたの言葉で書いているでしょう」と言われ、調整していただくと、次からは、自分の感情は動かず、ぽん ぽん と静かに短い言葉だけが浮かんできました。

屈辱、とか、ひどい、とか、恨みがましいことばかりでした。明らかに今のこと、私の人生のことではないものも浮かんできて、それを手で勝手に文字にしていました。
 
「思い浮かぶことがあったら、ただ書けばいい」という境地に、ここへきて初めて達しました。
 
それまでは主人とのことに関して、なにが悲しいんだろう、なにがひっかかっているんだろう、と、無意識にも思って書いていましたが、このときは本当に、かすかに浮かんでくる言葉を手が勝手にかいている感じでした。
 
実は主人の前に父をやらせていただいたときにも、すごい恨みがましいものが出てきて、そのときは「こんなものを自分がもっているなんて」と驚き、少し恐くもありました。

でも今回は、恐い、という感情さえも動かず、ただ静かに書くだけでした。
「あ~、こんな思いを自分の中にもっていたら、女の幸せは得られないだろうなぁ」と納得するばかりでした。
 
短い言葉を何度も何度も書きました。もう書かなくてもいいや、と感じるまで書きました。すると、パタと手がとまり、いままでの言葉と同じような静かな感じで「ありがとう」「ありがとう」「ありがとう」が出てきたのです。

それまでの言葉とちがって、「ありがとう」は何度書いても疲れないと感じました。
 
それまで心のどこかで劣等感や生まれた事に対する罪悪感を感じていた私ですが、ありがとうに混ざって「生きててよかった」「生まれてよかった」「ハッピーバースデー」「ありがとう私」「ありがとう皆様」と、すべてのものに感謝していました。
 
ありがとうございました。

 


NO.75

初めての集中内観では、近年母との関係はずいぶん良くなり感謝の気持ちも持っていたのですが、改めて昔を振り返りゴミだしをしました。

こんな書き方でいいのかな、先生の仰った潜在意識の言葉ってどういう意味かな・・・・と戸惑いつつも母への手紙というか、会話のような感じでたくさん言葉が出てきました。
 
先生から「潜在意識というより本音を書けばいいんだよ」と教えて頂いてから、さらに昔のことが鮮明に思い出されて「あんなことして欲しかったのに~」とか
 
「親失格だよ~」とか「だから○○(弟の名前)がこんな風になるんだよ!!」とかもう言いたい放題(書きたい放題)書い続けました。

20枚くらいは書いたでしょうか。ところが、昼食が終わって午後1時半頃から、胸がぐっと熱く締め付けられ、次第に母に対する感謝の気持ちばかりが込み上げてきて、それから全然ゴミが出なくなったのです。
 
そんな時、スタッフの方がサポートして下さって、スタッフの前で栓が切れたようにぽろぽろと涙が出てきました。
 
お手洗いへ行って一人ひとしきり泣いたらもうすっきりして、それからはこの気持ちが本物かどうか、もう母に対するマイナス感情がないかどうか、しばらく様子を見ていましたが、やはり感謝の言葉と自分の未熟さが身に染みるだけでした。

「ありがとう、ありがとう・・・・」と感謝の紙に書いているとすごく眠たくなって来ました。
 
もうないのか?
ほんとに不満はないのか?と自問するのですが眠気の方が勝って、すごく気持ちよくなって来ました。終了の時間までその心地よい空気にどっぷりと浸りきりました。
 
面接の時、「本物ですね、突き抜けましたね」と言って、最後にしっかり握手してくださいました。とても嬉しかったです、ありがとうございました。

 


NO.76

スタッフの皆様
先日の内観では大変おせわになりました。
 
今回の内観では「内なる光」にたどり着くことは適いませんでしたが、満たされた気持ちで帰途に着きました。
 
子供たちに対してイライラや怒りがまったく湧き上がらず、穏やかな気持ちでいられるのがとても不思議です。
 
帰宅後二日目の今日(28日)も、自分の中に子供たちに対する怒りの感情はみつかりませんでした。
 
これがずっと続くとよいのになあと願っているのが正直なところです。
また子供に対するイライラが消えたぶん、愛しさを大きく感じています。

そしてまたその分、自分が今までに受けた愛情や親切が実感できて感謝の気持ちが強く湧いてきます。
 
本当に今回内観に参加させていただいてよかったと思います。
本当にありがとうございました。



NO.77

初めての内観でした。
私は、子供の頃から父が厳しく、些細なことにもものすごく怒っていたので、怖く、嫌いでした。
 
現在は実家を出ているので、たまに会うときは、面と向かって話したりはできないけど、昔のような、嫌な感情は持たなくなっていました。
 
内観を始めてすぐの面接で話を聞いてもらっていて感情が昂ぶり、泣いてしまいました。
 
前半では、小さかった頃の感情がこみ上げてきて、こわいこわいをずっと書いていました。

予想では、憎しみや罵りが沢山出てくると思っていたのですが、「怖い」「もっとやさしくしてほしかった」というのが出てきて、本当の気持ちに気づかされました。
 
前半は勢いがあったのですが、途中は眠ってしまいました。
まだまだ出し切れてない感じです。



NO.78

今回の内観は自分のことでやるつもりでした。
でも、内観が始まってしばらくすると同時に悲しい気持ちがでてきたので、先生のアドバイスで父のことをしました。
 
「お父さんに手紙を書いてごらん」とのことでしたので、ほとんど私の側にいなかった父に、離れてからのことを手紙に書き始めました。言いたかったこと、伝えたかったことを書いていました。

こんなにもたくさんのことを話したかったんだと思いました。書いているうちに感情が出てきたのでそれも書きました。
 
次の日も同じように続けました。
自分でも気が付かないうちに泣いていて、ノートにボタボタと涙が落ちてきます。

側に父がいないことを「何でもない」「何ともない」と思ってきたけれど、こんなにも悲しかったのかと自分でも驚くほどでした。

また、内観では「本音」が書けるんだと思いました。
普段の生活で我慢していること、ごまかしていること、適当にしてしまっていること、見栄も虚栄もいい子になることも何もいりません。
辛いけど有難いという不思議な気持ちでした。
 
書き続けているうちにいろいろなものに対する感謝の気持ちが出てきました。
でも、まだ何か一つ残っている気がしていろいろな角度から自分の心を見つめてみました。あることにひっかかることに気が付きました。
 
先生にもそこから書くようにとアドバイスをいただきました。
そのうちに「じゃあ、お父さんは私を愛していなかったの?」という言葉が出ました。
 
答えは「そうじゃない。愛していたんだよ。愛しているんだよ。」という言葉が出てきました。

ああ、そうか、そうだったのかと思いました。そして次の言葉が出てきました。
 
「ただ、それは自分の望む形じゃなかっただけだよ」と。その瞬間、最後に残っていたかたいものが砕けました。
 
涙が次から次に出て、自分でも信じられないほど泣いた内観でした。
今回、内観を受けてよかったなあと本当に思います。どうもありがとうございました。



NO.79

昨日はお疲れさまでした、本当に有難うございました。
4回目にしてようやくこつがつかめてきたようで嬉しかったです。

あまり激しい感情がでなかった私が、昨日初めてペンで殴り書くようなむかつきをおぼえ、今でもまだそれはのこっています。
殺して押さえてきたのがようやくでてきたんですね。
 
内観1回目の後、鬱で気力もなかった母が、急に前向きになりはじめたのは驚きでした。
 
ごみがなくなることで、物事が自然と巧く行く、という感じでとってもうれしかったです。私も家族も少しづつ光を取り戻していけると確信しております。

ゆっくりペースで時間もかかりそうですが、自分の内面としっかり向き合う時間をこれからも大事にしてがんばりますので宜しくお願いいたします。

いつもだったら終わったあとはどっと疲れて、甘いもの好きでもない私がコンビにかキオスクで、2つくらいお菓子をかってしまうのですが、昨日は疲れ知らずで泳いでかえりました!

心も軽くなり本当に感謝しています!!有難うございます!



NO.80

内観が終わり、私の周りのゴミ出しが、たくさんありました。
そして母との関係が、とてもよくなりました。

 

あんなに、どなりあったり、いらいらしていたのになにもないのです。
 
逆に年老いた母がかわいく感じ、なんか感謝の気持ちがわいてきて嬉しくなってくるのです。

 
 
いままで、いらいらしたり、どなってみたり、すごく損をしていた気分です。
 
もともと、母の影響が強いので、今回とてもおおきなゴミがでたと思います。
 
最後は、心がポカポカしてきて感謝の紙に書く事ばかりでおどろきました。