NO.9 気の流れ

 
世の中で起きている事象を観察してみると、お金にしろ経済というかたちで流れていますし、私たちの身体の中では血液が流れていますし、自然界に目を移せば川も流れ、雲も流れ、すべてのものが循環の流れの中で新鮮さを保っているのが分かります。
 
私たちの健康に、ひときわ貢献しているのが気の流れですが、気の流れとは地上を吹き抜ける風のようなもので、風が吹くことにより、たとえば、よどんだ空気が浄化されます。また、たとえば、波が生まれ、汚れた海の水がきれいになります。また、たとえば、天候が移り変わり自然が潤います。
 
このように、風が吹くことで地球上を活性化してくれているわけです。
風の便りといいますが、風はいろいろなものを運んでくれているのですね。
 
それと同じようなことが私たちの身体にも起こっています。風が地面を吹き抜けるように、気 が、私たちの身体をそよそよと吹き抜けて(流れて)いますから、風が流れる方向へ雲を押し流してゆくように、気の流れ が血液やリンパ液を流してゆきます。
 
この世の常識では、心臓がドキドキと動くから血液が流れるといわれていますが、それだけでは血液が全身をうまくかけ巡れません。心臓のパワーだけは不十分なのです。
 
もし仮に、心臓だけがポンプの役割であるとしたら、たぶん平均寿命が80年といわれていますが、そこまで一度も休むことなく動き続けることはむずかしいかもしれません。
 

気の流れの悪い人たちの特徴

気の流れの善し悪しをイメージしていただくために、あえて気の流れが悪い状態のとき、どのような症状が私たちの心身に現れるのかを考えてみましょう。

◆ 手足が冷たくなりやすく、疲れやすい。
◆ 頭に気が上り、ボーとしてしまう。
◆ 身体全体が硬くなる。特に筋肉が凝る。
◆ 夜の眠りが浅くなる。
◆ いつも緊張感がつきまとう。
◆ 呼吸が速く、そして、浅くなる。
◆ 心が軽やかではなくなる。気が重い。
◆ 頑固になりやすい。
◆ 気になる事があるとなかなか抜け出せない。
◆ 気分転換がうまくできない。
◆ 物事がつまづきやすい。
  ・・・などなど

 

なぜ、呼吸をするのでしょうか。

 新鮮な空気を身体に取り入れるために呼吸をする。これが一般的な考え方ですが、それ以外に、呼吸は大切なものを私たちの身体に提供してくれています。
 
空気、大気という言葉を見ていただくと 気 という文字が使われているのに気づきます。昔の人は知っていたのでしょう。
 
呼吸の一回一回に、私たちのこの身体は新鮮な 気 を大気中から取り入れていたのです。仙人は霞(かすみ)を食べて生き続けるという伝説がありますが、これは一理あるということになるわけです。
 
気が身体を養う。気が心を豊かにする。こんなことを昔のインド、中国の人たちは感じ考えながら、ヨガや気功で心身をいたわってきたのでしょう。これを機に、あなたも気について関心をよせてみてはいかがでしょうか。