NO.34 集中力
私の知り合いのところに、ある家族が相談に来たそうです。
若夫婦と、そして、1歳前後の子供さんの三人とのことでした。
「主人の体調が良くないので、何か、よきアドバイスはないものだろうか?」ということだったそうです。
一緒にやってこられたご主人さんは、とても調子が悪いらしく、やっとの思いで奥さんに引き連れられてきたという感じて、部屋に入ったとたんに、隅へすわり込んでしまったそうです。
ですので、私の知り合いは、当事者と話をするというよりも、その奥さんと、茶を飲みながら世間話をいろいろとしたそうですが、その中で、どうも、その奥さんの行動というか、心の動きに対して異常を感じたそうです。
どうしても、一緒に連れてきた1歳前後のお子さんの様子が気になるらしく、とても、とても、落ち着いて話ができるような状態ではなかったそうです。
その奥さんは、話し相手と向かい合うこともなく、ちょこちょこと動き回る我が子の様子に対して異常なまでに意識過敏となっていて・・・
「○○ちゃん、それ、さわってはダメよ」
「そっちに、行ってはダメよ」
「静かに、していなくちゃダメよ!」
まあ~~、とにかく、落ち着きのなさったら、言葉に例えようもないという感じだったそうです。
その様子を観察していた私の知り合いは、
「ご主人の体調の悪さは、この奥さんの落ち着きのなさにある」と直感したそうです。
不思議なもんですよ。家族というか、夫婦というか。
一緒に暮らしている人の心の影響を、他の家族も受けてしまううみたいです。
このご主人さんの場合、奥さんの心が静まらないと、改善されないな~~と思ったそうですが、だからと言って、その奥さんに何か、良きアドバイスをと思っても、それを聞くだけの注意力、集中力がないだろう! と判断した私の知り合いは、残念だけど、何もアドバイスせずに、ただ、お茶だけ飲んで、世間話をしてその場を終えたそうです。
集中力って、幸せの「キップ」みたいなものなのかな~~ もしも、自分自身には集中力が足りないな~~ と感じたならば、集中力を養うために、意図的にでも、トレーニングした方がいいのかな~~
以前ご紹介しました「 NO28 気づきの瞑想」ですが、実際にやってみると、いかに、自分自身の心が、散漫で、集中力に欠けているのかが、よく分かりますよ。私も実践してみましたが、結果はトホホです。
何で、今更、呼吸に意識を集中なんだろう? と思うかもしれませんが、呼吸には、大きな意味が含まれているようです。心をコントロールするキーワードかもしれません。
数千年の歴史を誇るヨガでも、呼吸に対しては、特別な扱いをしていますし、日本でも昔から、何かに集中するときに、呼吸を整えて・・・ と言いますし、
例えば、足の裏に意識を集中するのでも、悪くはないんですが・・・ でも、呼吸の方が効果的のような気がしますし・・ まあ、理屈はともかく、
へこみ、ふくらみ、へこみ、ふくらみ、と、2~3回位やっていると
「ありゃ~~」
いつの間にやら、意識は別の世界に飛んでしまって・・・
「やばい!」
と思って、また、へこみ、ふくらみ、へこみ、ふくらみ、と、2~3回やっていると、
「あら、らららら・・・」
また、また、いつの間にやら、意識は別の世界に・・・
気づきの瞑想というよりも、雑念瞑想のようで、最初の頃は、自分自身がとっても情けなく感じるかもしれません。でも、これにめげずにやっていると、早い人、もしくは、熱心な人では3ヶ月位から、
あまり熱心でない人でも、半年位のうちには、心が段々に落ち着いてくるかもしれませんよ。
今の世の中、まさに激動の時代ですが、そんな世の中で暮らしながら、もし、何かを求めるとすれば、まずは、心の平安かな~~ というような気がします。心の平安には、集中力が不可欠なようです。