1.下剤は?

物事にはすべて、裏と表とがありますから、そのものが100%悪いものであるとか、100%良いものであるとか、どちらか一方的な価値判断は出来ません。多くの人の健康を支えている薬といえども、時には副作用、反作用があると言われるように、どんなに良いものでも無闇やたらに使いすぎると、時には身体に害を及ぼすことがあるかもしれません。
 
本来なら何の助けなしにも迎えられる朝の爽快感が、ある人には下剤を利用しないと迎えられないとしたら・・・ 時々なら仕方がないにしても、それが常用となると少し気になることが頭をよぎります。ある便秘専門の医師の研究結果によると、下剤を常用した場合、カリウムイオンが体外へ排泄されてしまうそうです。
 
その結果、筋力が低下する。すると、腹筋や腸の運動力も弱くなる。すると、ますます便秘がひどくなる。という悪循環の繰り返しとなる。その他、カルシウムイオンが低下すると、他のミネラルにも影響を及ぼし、ミネラルバランス全体が悪くなります。
 
長期的に下剤を利用してきた方は一度、毛髪分析によって、ミネラルバランスを測定してみるとよろしいかと思います。
 


2.冷たい牛乳って?

 冷たい牛乳を飲むとお通じに良いということはよく言われることです。実際に、冷たい牛乳を飲んで翌日に快便だったとか、朝一番に冷たい牛乳を飲んだら、まもなくトイレに行きたくなったという事は良くあるようです。となると、冷たい牛乳は便秘に合っているという結論になりそうですが・・・
 
ここで考えなければならないことは、冷たい牛乳の役割です。冷たい牛乳を飲んで効果を発揮するというということは、食べたものの粕がすでにウンチとして出来上がっているとき、つまり、直腸近くまで食べ粕が近づいてきて、ウンチが完成間近のときに限ります。
 
そうでない時に、たとえば、まだ食べ粕が小腸にある(ウンチとして完成されていない)時とか、大腸の前半付近にある時に牛乳を飲んでも、便意を催したくなるような雰囲気はありますが、この場合たとえトイレに行っても便秘が緩かったり、下痢気味になることがあります。
 
冷たい牛乳の効用をあげるとすれば、便意を強くする働き、つまり下剤的な要素としてです。下剤に副作用があるように、冷たい牛乳にも似たような作用はあります。
 
本来、冷たいお乳というものを飲むという習慣は、自然界の動物にはありません。なぜ、その様な習慣がないのかといえば、冷たいお乳では消化されにくいからです。消化されにくいから、身体がびっくりしていち早く体外へ排泄したくなるのでしょうか。
 
お酒も人肌が最高と言われるように、本当はお乳も人肌が良いのです。そんな事を考えますと、冷たい牛乳はどうでしょうか。


3.見せかけの快便?

頑固な人がいましてね。私は腸が丈夫だと言い張るのです。
「私は、便秘したことがない。毎日必ずトイレにも行く。食欲もあるし、何でも食べられるし、だから、とても腸に異常があるなんて考えられない・・・」
 
実はその方、アトピーで悩んでいまして、今までいろいろ試したそうですが、どれもこれといって成果の上がるものはなく、そして今度は私とお知り合いになったわけですが・・・どうにかしてあげたいという思いから、その方のどこにアトピーの原因があるのか、私なりにいろいろ探ってみました。その結果、腸に何やら問題がありそうな・・・
 
「あなたは腸に問題を感じたことはありませんか?」
「いいえ別に・・・」治療は足踏み状態になってしまいました。
 
そんなある日のこと、その方と一緒にスパゲッティーを食べることになり、お互いにイカスミ、スパゲッティーを注文し、美味しく食べてうれしい気分に。
 
事件は翌日、そして、翌々日に起こりました。
翌朝、私はビックリでした。
なんと、ウンチが真っ黒なのです。お恥ずかしながら、始めてのイカスミスパゲッティーでしたので、こうなるとは全く想像していませんでしたから・・・
そのことをその方に話ましたが、これといって驚く様子もなく・・・
しかし、その翌日、その方から連絡があり、興奮の様子。(その方もイカスミスパゲッティーは今回が始めてらしい?)
 
「どうして私は1日遅れなんでしょう」と疑問を持たれた様子でしたが、答えは簡単。つまり、その方は私より1日も余分に食べたものをお腹の中に溜めておいたことになります。排泄が1日遅かったわけです。
 
「毎日トイレに行くから、腸は大丈夫だと思います」という言葉を信じていましたが、実際には1日遅れの見せかけの快便だったのでした。その日のうちに出るものが出ないで1日も余分に腸の中に滞っているわけですから、腸に負担がかかるのも無理はありません。
 
それ以来、その方は腸を改善したいという気持ちになったそうです。本人がそう望むと結果もそういう方向に流れてゆきますから、間もなくよい状況に改善され、腸がよくなると皮膚の状態も以前とは比べものにならないほど落ちつきました。
 
あれから、2、3月経ったある日、再び一緒にイカスミスパゲッティーを食べることになりましたが、翌日にはお互い、真っ黒やみの世界でした。
 
まとめ
生理学上、食べたものが何時間後に排泄されるのがベストなのか、私にはよくわかりませんが、直感的に申し上げて、せめて前日の昼に食べたものであれば翌日の朝に排泄されてもおかしくないような気がします。
 
食べたものがいつまでもお腹の中に残っているようだと、栄養を吸収する以外に余分な有害物までを吸収してしまう恐れがあります。また、食べたものが腸の中で腐敗し、悪玉菌が繁殖して有害毒素をばら撒き、腸の粘膜が傷ついたりもします。
 
食べたものはいち早く消化、吸収して、不要なものはできるだけ早く外に排泄する。これが理想的なスタイルです。肉食を中心としている人はこの点を特に気をつけましょう。
 
腸内をいつも最善の状態にしておくことが健康を維持する秘訣です。腸が健康でなければ、身体全体の健康はあり得ません。腸を大切にしましょう。


4.便秘と成人病の関係?

成人病といえば、すぐにピンとくるのが コレステロールです。コレステロールには善玉(比重の高いもの)と悪玉(比重の低いもの)とあるようです。比重の高いコレステロールはそれほど悪さをしないようですが、比重の低いコレステロールは、体内に必要以上に沈着すると動脈硬化の原因の一つになります。
 
動脈硬化というのは、血管がゴムの管ように延び縮みができなくなる現象で、血液の流れが悪くなり、ある箇所に滞っていまします。要は、血が固まりやすくなるというわけで、心臓の血管がつまれば心筋こうそく、脳の血管がつまれぱ脳血栓、目の動脈がつまれば失明ということにもなりかねません。
 
脳血栓を起こすと、その後遺症としてボケが伴うということもあり・・・もうこれ以上、切りがないからやめましょう。
 
便秘をしていると身体に不要なモノまでを、腸は何でも吸収してしまいます。ですからそうならないように、不要なモノ、身体に有害なモノはいつまでも腸に止めず、速やかに排泄しましょう。いつまでもため込んでいると、悪玉コレステロールも、腸はしっかりと吸い込んでしまいます。


5.お肌と便秘は関係?

ニキビや吹き出物ができる直接の原因は、皮膚の毛根や汗を出す汗腺へ細菌がついて起こるといわれています。しかし、なぜ細菌がつきやすくなるかという原因についてはいろいろな説があり、今のところはっきりしていませんが・・・
 
一つは若くて汗やあぶら分がたくさん出るために、汗腺や毛根がつまりやすいことでしょうか。それと、ホルモンのパランスがとれないことも考えらるでしょうか。でも、何といっても、やはり便秘が一番の原因ではないでしょうか。
 
便秘していると、身体や皮膚に有害な物質を速やかに外へ排泄してしまうことができず、いつまでも体内に残り、それが吹き出物という形をとると考えられます。

また、便秘していると気持ちが悪いですから、これらの心に作用し、ホルモンバランスを崩してしまうことも考えられます。
 
こう考えますと、とにかく便秘を解消することが一番の早道のようです。実際に便秘を解消してお腹の調子が整いますと、ニキビや吹き出物も、いつの間にかスーと消えて、きれいなお肌になるのです。


6.便秘だと胆石症に?

これだけは実際になった人でないと分からない痛みと言われますが、以前、この病気で悩まされたという、あるお母さんに、「胆石と出産とどちらが痛いですか?」と、尋ねたことがありましたが・・・もう、次に返ってくる答えは当然お分かりですよね。 「もちろん、出産に決まっているでしょう」なんてことは言いませんでしたから・・・
 
出産の痛みも知らない男の私ですから、それより更に痛いという胆石の痛みというものは・・・。そんなに大変なことならば、どんなことがあっても避けて通りたいですよね。胆石の原因が便秘にあり。と断定的なことは言いませんが、便秘が原因で胆石になる可能性は充分にあるようです。
 
胆石症は日本人にわりあい多い病気です。胆石には大きく分けて二つの種類があります。ピルルピン結石というものと、コレステロール系の結石です。昔はビルルピン結石が多かったのに、最近では、コレステロール系の結石がふえているようです。
 
この石は成分がコレステロールを主に形成されています。便秘をしていると、コレステロールが身体の外へは出ていかずに、体内でどんどん吸収されてしまいます。その結果、体内のコレステロールの量がふえ、胆汁酸のコレステロールの成分比が変わり、胆石ができやすくなるわけです。


7.食事はどのように?

 食事制限や食事コントロールをするようになると一時的には健康に近づけたような気がしても、その反動といいますか、どこかにストレスを感じることがあります。

ですから本当は、制限なしに、コントロールなしに、自分の体に合った正しい食事が出来るようになれば、それがベストです。

私自身は気ままですから、制限なるものが大嫌いです。ですから、窮屈になるような内容を皆さんにお伝えしたくはありません。

ただ、ストレスを感じない程度に、「食べる事について見直してみる」ということなら、お勧めしても良いような気がしました。思いつくままに書きましたが、気楽に出来そうなことがありましたら実行してみてください。
 
良く噛んで食べる
 
「何を食べたら良いのだろう?」という食品の吟味をする前に、まず考えなければならないことは、どんなものを食べるにしても一度口の中に入れたものはすぐに飲み込んでしまうのではなく、良く噛んで充分に味わって食べるということです。

牧場に行けばお目にかかれる、私たち人間の数倍も強靱な胃腸を持つ牛さんでさえ、食べ物をすぐに飲み込むことはせずに、何度も何度も繰り返し繰り返し噛んで味わっているようですから。
 
私たちの場合、唾液がうまく流れ出るようになると身体全体の体液が循環し始め、バランスを崩していた身体感覚が整い始めます。良く噛んで食べることが出来るようになると、いずれ近い将来、以下に紹介する「何をどう食べようか」ということはそんなに大きなポイントではなくなります。
 
なぜなら、良く噛んで食べていると体が必要としているものはただおいしく感じ、そうでないものはたとえそれがどんなに栄養があると評価されているものであってもおいしいとは感じなくなるからです。

頭で考えて食べるのとは違い、自分の体で、特に舌(味覚)で味わいながら食べるのですから、制限の元で食べるのと違い、食べるということがとても楽しいです。
 
季節のものを食べる
 
生活の便利さを探求した結果でしょうか? 真冬でも夏季に採れるはずのトマトが食卓に並ぶことも今では当たり前の後景です。キュウリでも茄子でも本来なら夏に採れるものでした。でも、今の子供たちに、「茄子やキュウリはいつ採れるでしょうか?」なんて質問したら、「一年中だよ」という答えが返ってきそうです。でも、これがご時世ですから仕方がありません。
 
ただ、本来なら夏に採れるはずのものを真冬に食べているということは私たちの爺さん婆さんの時代には考えられなかったことであり、例えば茄子やキュウリは体を冷やす作用がありますから、真冬に食べていると体が冷える原因となります。このように、季節に合わない食品をいつも食べていると身体感覚はどんどん鈍くなります。
 
丸かじりできるものを食べる
 
「肉の食べ過ぎは体に良くないよ」と言われていますが本当でしょうか?
例えばアラスカ地方に住むエスキモーさんたちは何を食べているのでしょうか?
 
氷一面の銀世界でまさか農業などできませんから、彼らの食するものといえば動物たちの肉になります。でもその彼らが、動物性食品を食べ過ぎたからといってコレステロールが溜まったり、野菜を食べないからといって栄養不足になったりしないのは・・・
 
そうです。例えば、一匹のアザラシを食するのに丸ごと全部を食べ尽くすからです。我々ですとマグロのおいしいところだけ、例えばトロといわれるような赤みの一部だけしか口にしません。だから、おいしいものの食べ過ぎ イコール 成人病 というような公式が成り立つのであって、もし仮にマグロ1匹を全部食べるのであれば成人病の心配はいらないかもしれません。ただ、マグロ1匹全部を食べることなど実際にはできませんから、マグロより1匹全部を食べられるサンマやイワシの方が良いということになるのです。玄米が良いと言われるのも、皮を剥かずに、米を丸ごと食べることになるからでしょうか。
 
地域に密接したものを食べる
 
「私は日本で生活している真の日本人です!」と言っても、食べているものだけを見ていると、純な日本人と言える人はほとんどいなくなりました。真冬の寒い寒~北海道地方の家庭の食卓に亜熱帯地方のバナナが載せられることは良くあることです。
 国際色が豊かな日々の食卓という雰囲気でしょうか。他国の食品が並ぶのは豊かさの象徴ですから頭ごなしに否定はできませんが、ただ余りにも今住んでいるところの地域色がなくなるような食事をしていると身体感覚は乱れます。
 
古いことを言うようですが、日本人には日本人なりの食事が、インド人にはインド人なりの食事がありますから、体調を整えようという期間中はこれらのことも考慮してみても良いかもしれません。
 
繊維が多く含まれたものを食べる
 
便秘改善の定説です。繊維の多く含まれた食品をたくさん食べると良いでしょう。
 
発酵食品を多く食べる
 
発酵食品とは読んで字のごとく、発酵している食品です。発酵するためには微生物の協力が必要ですが、この発酵食品を毎日食べていると腸内環境が、善玉菌7割に対して悪玉菌3割の理想郷ができあがります。
 
自然のものを出来るだけ食べる
 
この食品の賞味期間は3ヶ月ですよ。という食品の中に、本来なら常温では2日と持たないものがあるとします。腐るはずのものがいつまで経っても腐らない。一見非常にありがたいことのように思えますが、腐敗を阻止する防腐剤が使われているとしたら、それはありがたい食品というより、見方によってはカビも生えない死んだ食品ということになるでしょうか?
 
電子レンジ対策
 
電子レンジは便利です。チンすれば、たいていのものは数分以内に出来上がります。でも、ここには大きな落とし穴が隠されています。電子レンジから出る電磁波が食品本来の波動を歪めてしまうのです。この件に対する対策は是非とも考えたいことの一つです。最近では、電子レンジから出る電磁波を無害にする食器も研究されているようです。興味のある方はご相談ください。


8.便秘の原因って? 

 便秘の原因で紹介した以外にも、まだまだ、ありますよ。
 
たとえば・・・ やわらかい食べモノ、精白しすぎたモノは便秘の大敵です。
 
現代社会には、いろいろな食べものが氾濫しています。加工食品、半加工食品など、素材にしてもほんとうに多種多様です。日本古来の食品だけでなく、世界中の食べものが輸入され、店頭で売られている時代です。これだけ、食品が氾濫しますと、便秘を起こしやすい食べものがたくさんあっても不思議ではありません。
 
まず、食べものの硬さを考えてみましょう。 
楽をしたいのが人情。ですから、だれでも硬い食べものより咀囎しやすい柔らかいものを好みます。しかし、この柔らかいというのが便秘にはよくないのです。どちらかというと、やわらかい食べものには便のもとのになる繊維分がほとんど含まれていません。
 
次に、精白した食べものを考えてみましよう。
美人は色白といわれた時代がありましたが、米にしろ、パンにしろ、まっ白で味がいいものを、少々高くても食べる風潮が日本にはあります。たしかに、暮らしの豊かさ、文化水準の高さを、まっ白いパンや米は感じさせてくれます。
 
しかし、ここには大きな落し穴があります。現代の文明病が起こりやすい原因が隠されているのです。精白することで、米や小麦の外側にある繊維質が取り除かれ、繊維分が少なくなれぱ大便の固形成分が少なくなり、便秘が起こりやすくなりますし、肥満や成人病といった文明病も起こやすくなります。
 
また、これまでの栄養学では、繊維質のようにカロリーもビタミンもミネラルもないものは、無用と考えられてきましたが、この無益に思われていた繊維質が、実は、からだの有害な物質を自然に排出する役割をしていたのです。
 
たとえば・・・ 水 分 の 不 足 です。
「ベトベトするから汗をかきたくなぁ~い」
「おトイレにばかり行きたくないなぁ~い」
 なんてことを考えると、ついつい水分を摂るのを控えめにしてしまうようですが・・・これも便秘の原因となります! 
 
大腸では、食べ物から水分が吸収され、程良いかたさの便がつくられますが、もともとの水分の摂取が少ないと、便は必要以上に硬くなってしまい、硬くなった便を無理やり出そうとすれば、当然苦痛がともないます。ときには肛門が切れたり、たび重なると痔になったりもします。
 
これでは排便することが苦痛になって、トイレのことを考えると気が重くなってきます。だから、トイレから遠ざかるようになり、ますます便が硬くなる。というような 悪 循 環 が生まれてしまうのです。
 
改めて言うまでもありませんが、人間の身体は70%が水分だそうです。水分が足らなくなると、便秘が堅くなる他にも、さまざまな身体の箇所にトラブルが発生しますから、くれぐれも水分の摂取には気を配りましょう。
 
水分を採りすぎると体に良くないよ。とも言われていますが、質の良い水を飲んでいる限りはその心配もなさそうですから、どうぞ、安心して沢山の良いお水を飲んでください。
 
水道水はどうかな~???