腸内細菌を育てる

 
ビヒィズス菌、乳酸菌といわれる善玉菌をうまくあなたの腸の中で育てるには・・・どのような工夫が必要なのでしょうか。「生きものを育てる」からには餌をあげなければなりませんが、その前にする事といえば・・・
 
そうです。お百姓さんが畑で野菜を作る時のように、まずは 種まき です。
 


種まきの感覚

 
本来なら種まきなど必要ないのですが、長く便秘をしていたり、下剤のお世話になることが度重なると、元々いた腸の中の善玉菌はいつしか姿を消してしまいます。
 
ですから、あなたの腸の中へ、活きのいい、とびきり上等なビヒィズス菌や乳酸菌たちに来てもらわない・・・
 
野菜でしたら肥料を、腸内細菌には餌を・・・ 「腹が減っては戦ができない」といいますが、ご飯を食べてあなただけが腹一杯になっても可愛いビヒィズス菌や乳酸菌たちが腹を減らしていたのでは・・・彼らにもたくさん餌(えさ)を与えてください。
 


エサやり感覚

 
彼らのエサとは何でしょう? 最近ではいろいろな食品にも添加され、テレビでも紹介されていますからご存じかと思いますが・・・
 
そうです。オリゴ糖のことです。
 
なぜ、オリゴ糖が良いのかというと、他の食品では腸が栄養を全部吸収してしまうので人の栄養になることはあっても、彼らのところへはお裾分けが回ってきません。その点オリゴ糖は、私たちの身体にはほとんど吸収されませんので、彼らの餌となるわけです。
 
低温状態(冷害)では野菜は育ちません。それと同じようなことが腸内細菌に対しても言えます。彼らが心地よく育ってくれる 環境造り をしなければなりません。せっかく種を蒔いても、餌をあげても、途中で死なせてしまっては何もなりませんよね。
 


環境造り

 
◆ 上手に善玉菌を育てるには、彼らが好む腸内温度をいつも一定にしておく必要があります。冷たいものをたくさん飲むと、どうしても腸内温度が下がり、善玉菌は繁殖できなくなります。
 
◆ 水道水には塩素が含まれていますが、よくよく考えると、塩素とは消毒するものであり、悪いモノ、良いモノ問わず、微生物を殺してしまいます。塩素の含まれていない水を飲むことをおすすめします。
 
◆ 防腐剤の含まれている食べ物も、塩素の含まれている水と同等に考えてください。防腐剤とはカビも生えない不毛の地、もちろん、そこには善玉菌も歯が立ちません。
 
◆ ストレスに弱いのは私たちだけではありません。彼らも、私たち以上にストレスの影響を受けます。時には、あなたの腸に嫌気がさして引っ越しなんて・・・
 
◆ 動物性タンパク質を食べ過ぎると、とくに肉を食べ過ぎると、悪玉菌が猛威をふるい、善玉菌を追い出してしまうことになります。今現在、便秘で悩んでいる人はできるだけ肉食を避け、野菜中心の食生活を心がけましょう。便秘が治ってからでも焼き肉屋さんは遅くはありません。
 
◆ 下剤は特に要注意。本来、ウンチが出る準備がまったく整っていない人を強制的にトイレに行かせてしまうのですから、その時は一時的に良い気分(?)になれますが、腸内細菌のバランスはガタガタ。
 
◆ 抗生物質を利用する背景には「悪い菌を殺し、病気に克つ」という目的があります。しかし、残念ながら、良い菌も全部巻き添えにしてしまいます。この世で言えば、悪を征伐するために核兵器を使用するようなものでしょうか? 病気によっては抗生物質を飲まなければなりませんが、これを利用した後は腸内細菌のバランスが極度に乱れますので、そのためにケアーは必要です。